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【動画】見えない原子を『見る』

ジュニアドクター育成塾で実施した『5つの試料から化学発光を使って鉄イオンを探し出す探究活動』について動画を公開しました。

原子や分子は目に見えませんが,化学発光を利用することで『見る』ことができるようになるということが、よくわかります!

平成30年度選抜試験振り返り~応募者はどんな人?

選抜結果から考えてみましょう。

応募者の基本データ

小学生vs中学生 1:1

男子vs女子 4:1

小学生では2.7:1,中学生では4.5:1

応募者の小学生と中学生の数は同数でした。昨年度もほぼ同数でしたので,人材育成事業に参加を希望する受講生の校種による偏りはほとんどありません。ほとんどの中学校の科学部(理科部)がないことが,中学生の応募率を高めているようです。今年度から部活動の週2日休養(平日1日,土日1日)が決まりましたので,中学生はより参加しやすくなると予想しています。

男女比は4:1と高くなっていますが,校種別で比べると,女性比率は中学生で大きく減少しているようです。文理選択が高等学校進学直後(1年生12月)にあるため,中学校から文理の分割が進んでいることが伺われます。愛媛県の高等学校の一部では現代でも文理選択前に『女子生徒は文系の方が良い』という指導があるようですので,地域性もあるかもしれません。

統計的なデータはありませんが,女性比率が低い理由の一端に『習い事』の可能性があると予想しています。とくに女性は演奏などの芸術系の習い事を幼少期に体験する率が高いようで,演奏会などが休日に行われることが参加率の低下を促しているのかもしれません。

応募傾向

文理融合型応募者 73%(何らかの受賞経験を持つ人数のうち)

今年度の応募者のうち30%が理科研究に関する受賞歴がありました。また,このうち73%は美術展や読書感想文コンクール,音楽コンクールなどで受賞歴がありました。この結果から気になる事実が浮かび上がります。

理科が好きなのに,自分自身で理科研究賞などに応募した経験はない。一方で,理科に関係ない賞には自身で応募した経験がある。

受賞したと申請した応募者は,県や市が夏休みの宿題として提出する自由研究の受賞について報告しています。自由研究はあくまでも宿題として学校に提出するものであって,自分自身の成果を自身の意思で応募しているわけではありません。自分自身で応募する理科研究賞に応募した経験があったのは数名でした。一方,読書感想文や美術展,音楽コンクールは,程度の差こそありますが自身の意志で応募しています。理科研究賞と比べてかなり高い割合です。

この差は,多くの児童・生徒が『理科研究は学校でやるもの』という思い込みがあり,全国にいる仲間と交流できる場があることに気づいていないのではないかと推測しています。この傾向は情報の少ない(そういった経験をした大人がいない)地方ではより強く現れるのかもしれません。

応募者の基本データから,人材育成の基礎について考えてみました。

平成30年度選抜試験振り返り~どんな試験をしたの?

2018年6月17日,23日の両日に選抜試験を実施しました。
本プログラムの選抜試験は,思考力試験,実験観察技能試験,情報整理力試験の3つで行われます。思考力試験は探究的活動における課題解決に向けた思考力,実験観察技能試験は実際に実験観察を行う力,情報整理力試験は得られたデータをまとめ考察する力を測定します。

1 思考力試験
思考力試験は,知識ではなく,課題解決のための思考力をはかります。

図1 思考力試験

試験は,いくつかの探究における文章を読み,考える問題です。今年度は,光で曲がる植物の研究,パン作りの科学,ダンゴムシの研究,フィルムケースロケットの研究の4題から1題を選択して回答しました。

問題一例
小麦粉などを練り合わせたパン種がふくらむのを観察した『ぼく』は,パン酵母の発酵で二酸化炭素が発生してパン種がふくらむことを知った。そこで『ぼく』はパン種を速くふくらませる研究を行うことにした。

問 二酸化炭素の発生量を3分ごとにはかることができて,発酵温度を変えることができ,自宅で製作して実験できる装置を設計してください。
問 発酵の結果得られた,温度ごとの二酸化炭素の発生量をひとつのグラフにまとめて比べましょう。
問 発酵が進まないときには何が起こっているのでしょう。

など9問の問題に回答します。

2 実験観察技能試験
実験観察技能試験は,探究的活動での実験観察を行う力をはかります。

図2 実験観察技能試験

今年度はフィルムケースロケットの実験で『できるだけ遠くまで飛ぶ条件』を達成するための方法について検討しました。
フィルムケースロケットを遠くまで飛ばすには,発泡入浴剤,水,発射角度の3つの条件を制御しなければなりません。それぞれの条件の飛距離への影響を調べていく必要があります。

3 情報整理力試験
実験や観察をまとめる力をはかります。

図3 情報整理力試験

実験や観察は『やって終わり』ではありません。新たな発見につなげるためには,『○○という結果になりました』ではダメなのです。フィルムケースロケットの飛距離にもっとも影響するのは,どの条件でしょうか。それ以外の条件はどのように制御すればいいでしょうか。

以上,3つの試験などによって選抜を実施します。

補足
選抜試験を行う最大の理由は,費用を出している国立研究開発法人科学技術振興機構が,支援の条件に『かならず選抜を行う』としているからです。私たちは選抜の実施について判断する権利がありません。選抜を停止すると費用を止められてしまいます。もし,みなさんが選抜について意見があれば,ぜひ科学技術振興機構に意見を述べてほしいと思います。

ご連絡はこちらよりお願いいたします。

note新着記事「自己評価は何を測っているのか?」

ジュニアドクター育成塾 愛媛大学は、文章・写真・イラスト・音楽・映像などを投稿できるサービスnote(ノート)で、教育に関する少し深いお話の記事をアップしています。

今回のテーマは「自己評価は何を測っているのか?」

自己評価でほんとうに内面は評価できるのか、についてご紹介しています。

記事はこちらから

月刊「化学」2018年7月号に提言が掲載されました

専門家がいちばん知りたい,面白い情報を提供する研究者向け月刊誌「化学 2018年7月号」(株式会社 化学同人発刊)に、大橋准教授の提言記事が掲載されました。

【提言】中等教育課程での研究倫理教育──学生を受け入れる側となる大学の役割とは?

初等・中等教育から探究的活動に取り組ませる試みが検討されているなかで、将来,彼らを受け入れることになる大学は,今何をすべきなのだろうか?

ブランドロゴのノベルティグッズが完成!

「ジュニアドクター育成塾愛媛大学」のブランドロゴをプリントした、アメニティが完成しました。

グッズは4点。

・トートバッグ

・Tシャツ

・缶バッジ

・シール

(画像 バッグ・Tシャツ / 缶バッジ・シール

ロゴ入りTシャツは,プログラムを行うときのチームカラーとして使います。

チームとして団結してがんばってほしいですね!

では、なぜアメニティを作ったのでしょうか。

それは,ジュニアドクター育成塾という人材育成事業の必要性を多くの人に知ってほしいからです。

実は日本の多くの都道府県で,こうした事業が行われていますが,それを知らない人のほうが多いのではないかと思います。

優れた試みも知られなければ意味はありません。多くの人に知ってもらい,その必要性を議論してほしいと願っています。

選抜試験が無事終了しました

ジュニアドクター育成塾 の選抜試験が無事終了しました。

思考力試験で考え,実験技能試験で実際に手を動かし,情報整理力試験で内容をまとめます。

3つの力はいずれも研究で必要とされる能力です。

次回は6月23日に予備日の実施を行います。