No.002 和波里翠(株式会社ディー・エヌ・エーUI/UXデザイナー ビジュアルファシリテーター)

プロファイルNo.002は、2018年7月15日(日)に実施した第2テーマ「頭の中を見える化しよう!」で、グラフィックレコーディングワークショップの講師をしてくださった、株式会社ディー・エヌ・エーの和波里翠さん。

第2テーマ「頭の中を見える化しよう!」当日の様子

今回初めて小中学生向けにグラフィックレコーディングの講座を実施された感想はいかがでしたかという問いに、下記のようにお答えになりました。
「嵐のような時間でした(笑)。今までは高校・大学、社会人など、大人向け授業を行うことが多く、小中学生対象は今回が初めてで予測不能でしたが、グイグイ描いてくれたので「やってよかった」と思いました。みんな描いていくうちにどんどん笑顔が増えていって、「話す」だけじゃなくて「描いて話す」ことの楽しさを感じてもらえたみたいで嬉しかったです。」

確かにグラフィックレコーディングで自分の思いを形にして、さらに周囲に共有している生徒たちの表情は、とても素敵でした!

そんな笑顔を生み出すグラフィックレコーディングをお仕事にされるまで、和波さんがどのような人生を歩んでこられたのかを教えていただきました。

【目次】
1 子どもころはどんなことに興味があった?
2 子どもの時代の将来の夢は?
3 なぜこの仕事をするようになった?
4 仕事をしていて一番嬉しい瞬間は?
5 同じ仕事を目指している子どもたちに,いま頑張ってほしいことは?

1 子どもころはどんなことに興味があった?

 お絵描きが大好きでした。ノートの取り方も4コマ漫画で歴史をまとめてみたり、構造化するのが好きでした。図工の先生が、子どもが「やりたい!」と言ったら画材や道具を用意してくれる方で、よく遅くまで図工室を使わせてもらいました。児童館でPCが普及されていてPhotoshopとかでもの作りもしてました。自分が描いた絵を下級生の子がもらってくれたり、逆に自分が卒業する時にはその子たちが描いた絵をプレゼントしてくれたり、描いてコミュニケーションをとることが昔から多かったです。

2 子どもの時代の将来の夢は?

当時は先ほどお話した先生に憧れて、小学校の図工の先生になりたかったんです。でも、作るのが好きすぎてデザインの道に進みました。誰かのための物作りは小学生の時からしていて、「もう少しこうして欲しい」と言われ修正して…とか、描いたり作ったりしながらコミュケーションを取ることは日常でした。なんか子どもの頃からやっていることがあまり変わらないですね(笑)。職業はデザイナーですけど、教育現場にはずっと興味があったので、今こうして人に教える仕事ができて嬉しいです。

3 なぜこの仕事をするようになった?

 気付いていたらなってました(笑)。学費返済のために何が何でも就職したかったので就職活動をして企画職やシステムエンジニアで内定いただいたんですが、企画で受けた企業で募集に無い枠だったデザイナー枠を作ってもらえたんです。

(人に教えるお仕事のきっかけ)子どもを対象とした授業を行うようになったのは3年くらい前からです。きっかけは高校の先生からメッセージをもらい、「やってほしい!」と言われて「やりましょう!」と二つ返事で始めました(笑)。

4 仕事をしていて一番嬉しい瞬間は?

(デザイナーという仕事の魅力について)作ること自体が楽しいのもあるんですけど、何かを生み出して世の中に影響を与えられる、人の表情を変えることができるのは魅力だと思います。講座の中でも描いたものを人に見せることで子どもたちはお互いいろんな反応を受けたと思います。それと同じで、誰かの生活や想いや人生に関われるのが楽しいです。

 (グラフィックレコーディングの魅力について)可視化がある世界と無い世界ではコミュニケーションの形態が異なっていて、「机上の
空論」とかよく言いますけど会話だけだとお互い理解し合っているようでいて理解できていない時もあるんです。例えばチームで何か作ろうとしていて話し合って共有し合えたと思っていても、実際に作り始めたらお互いの考えが違ったと気付くこともあったりするんです。だからこそアイデアやビジョンなどを可視化することで自分たちがどういう方向を目指しているのか、どんなものを作りたいのか見える化した上で対話できることが良いところだと思います。お互いの頭の中を一度紙の上におろしてあげることでより具体的に客観視して話し合うことができるのが魅力です。

5 同じ仕事を目指している子どもたちに,いま頑張ってほしいことは?

 楽しいことをどんどんやっていったらいいと思います。好きなことって全力でやっていても頑張っているっていう意識がない気がします。だから自分が楽しいと思えることを追求するといいんじゃないでしょうか。描いてコミュニケーションをとっていきたい人はどんどんそういう現場に向かったらいいと思います。自分の興味関心がある方向で、描く力を活かしていってもらえたら嬉しいです。

―本日の講座を受講した子どもたちに向けてメッセージをお願いします。

今って声の大きい人が目立ったり同調圧力も強い気がして…。声は小さいけど素敵な考えをお持ちの子どもも大人ももたくさんいます。だから、立場とか違いとか関係なくどんどん描いて共有しよう!って日常的にできる世の中にしていけたら嬉しいです。見える化の世界は、優劣をつけない否定しない世界です。今日の講座の中でもみんな色々な巨大生物を描いていましたが、そこに正解も間違いもなくて、自分が思ったことを出すことが大切なことだと思います。そうすることで、「みんな違う考えを持っているんだ」っていうことに気づくことができると思います。共創の力がより必要になっていくだろうと思われる時代だからこそ、子どもの頃からコミュニケーションの手法のひとつとして見える化の技術を学んでいってくれたら嬉しいです。まあ、私は社会人としては異端児ですので偉そうなこと言えないです(笑)。子どもたちが描いて共有する世界が楽しいなと少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

<取材者>
スチューデント・キャンパス・ボランティア
メディアサポーター出版部
文・杉山未来
写真・西田ちひろ
スチューデント・キャンパス・ボランティア公式HP:
http://scvinfo.csaa.ehime-u.ac.jp/dantai/mspt/

「正解も間違いもなくて、自分が思ったことを出すことが大切なこと」。これはまさにジュニアドクター育成塾愛媛大学の『主体的・共同的に学び続ける力』に通じるお話ですね。

お互い違う意見を持っているのは当たり前。優劣をつけたり、否定したりするのではなく、違いを受け入れあうことで、自分自身が考えてもみなかった視点を持つことができるようになります。

和波さんの「絵を描くことが大好き」という気持ちを支える人が、常に和波さんの周囲にいたのは、和波さん自身が自分の考えを絵を描くことを通じて、積極的に周囲に伝えていたからなんでしょうね。

素敵なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

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